再建を目指す米国経済の現状

先週実施されたポルトガルやスペインの国債入札が順調に済んだことは、ユーロドル相場を12月のレンジだった1ユーロ=1.3000―1.3500ドルの上限に押し上げた。しかし、欧州と米国が同じ程度のリスクを抱えていることを考えれば、ユーロに対して過度に強気の姿勢で臨むのは慎重にならざるを得ない。1月初めにはユーロ圏の債務問題を背景にユーロに対する弱気ムードが広がったが、ポルトガルとスペインの国債入札成功や、中国や日本によるユーロ圏債券購入の意思表示を受け、ユーロは1.29ドルから1.34ドルに急伸。為替相場ではユーロ買いがすすんでいる。

長期の財政課題への取り組み

経済が完全雇用を回復し、さらに進むのに際し、重要な鍵の1つとなるのは、連邦財政の赤字を抑えることである。図1−4には、オバマ大統領が政権にっく直前、09年1月に議会予算局によって発表された予算余剰の現実と予測経路が示されている。図が明確に示しているように、90年代末の巨額な財政黒字は、00年代になると巨額な赤字に転化し、赤字は、その後の30年間でより急激に増加すると見積もられた。第5章で議論するように、00年代の赤字への転化には、収入不足を起こした政策行動が多分に反映されており、それらは、01年と03年の減税であり、さらにメディケアへの薬の処方崖の導入である。将来の赤字を徐々に増加させていくという予測は、数十年越しのヘルスケア・コストの上昇傾向の継続によるところが大きい。

 

第5章では、予測された赤字の結果が、時を経てどのようになりそうなのか、そして、財政規律復活についてその重要性が叙述される。また、この課題に直面する大統領の計画についても叙述される。深刻に経済が弱体化しているときは、財政を大きく収縮させてはいけない。代わって、国家は時間をかけ、問題の裏にある諸要因と取り組む行動を通じて長期の問題に取りかからねばならないのだ。将来の赤字を削減すべく取られる唯一重要な手立ては、ケアの質に妥協せず、それを落とすことなく、コスト上昇率を遅くするヘルスケア改革を採用することである。つけ加えるに、わが大統領の2011年予算には、そのほかの重要な方策も含まれているのであって、ブッシュ大統領が高額所得者に許した減税を終了させること、納税回避をやめさせ米国内に投資を促進するため国際的税ルールの改革を行うこと、そして、3年間の安全保障以外の裁量的経費の凍結を課すことであり、同時にまた、収入と支出の長期にわたるギャップの解決に取り組むため超党派の委員会を立ち上げることである。

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